- 2024.07.25
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採用サイトの効果的なコンテンツ制作のポイント
急激な人口減少により、国内の人材確保は困難を極めています。
現状の採用難に対応するために重要になるのが、採用段階でいかに会社と求職者の結びつきを深め、自社に合った人材からの関心を高められるかということ。
そこで、会社と求職者を結ぶ役割を果たし、安定的な人材確保につなげる有効な手法として挙げられるのが採用サイトです。
前回のブログでは、効果的な採用サイトを制作するために、以下の3つのポイントをご紹介しました。
- 自社の魅力を伝える
- 自社の求める人材像にアプローチする
- 求職者のニーズに応える
今回はさらに一歩踏み込み、これらのポイントを踏まえたコンテンツ制作についてご紹介します。
表層的な情報を集めたコンテンツではなく「何を伝えるか」に焦点を当てたコンテンツにすることで、より人材確保に効果的な採用サイトへと近づきます。
それぞれのポイントの重要性や考え方も含めて、コンテンツ制作の流れについて見ていきましょう。
自社の魅力を伝える
求職者からの応募を得るには「この会社で働きたい」「こんな会社を探していた」と感じてもらう、採用活動の強みとなる「自社の魅力」を効果的に伝達することが大切です。
とはいっても、「御社の魅力は何ですか」と急に聞かれると返答に困るのが正直なところではないでしょうか。
会社の魅力となる要素は、企業姿勢や職場環境、業務内容、労働条件など、さまざまな要素に分解できます。
まずは自社を多角的に分析し、アピールできる自社の魅力を見つけ出していきましょう。
自社の魅力を見つけるための分析方法
自社ならではの魅力を発見するために重要なのが「自社を形作る要素」を再整理することです。
下記に自社の魅力を見つけるための分析方法を3ステップでご紹介します。
①「自社を形作る要素」を再整理する
どのように自社は形作られているのか、まずは自社を構成する要素の再整理から始めます。例えば「事業内容」という面で言えば、自社のサービスや製品の強み、社会への貢献度、求職者の働きがいなどの要素に分類できます。
自社の魅力の糸口を見逃さぬよう、当たり前のことや些細なことでも自社の現状を思いつくままに書き出していきましょう。
②自社の魅力の種を抽出する
「自社を形作る要素」を再整理したら、そこから自社の魅力の種を抽出します。
ここでは自社の魅力の種を探すための着眼点として、以下の5つをご紹介します。
〈自社の魅力の種を探す5つの着眼点〉
- 社会に対する企業としての姿勢
- 職場環境への配慮
- 仕事のやりがい
- 時代に合った労働条件
- 社内制度の豊富さ
③自社の魅力と言えるかどうか検討する
自社の魅力の種を見つけたら、次はそれらが社会的に「自社の魅力」と言えるのかを検討します。
同業種や同地域の会社との比較や、社内外の多くの人に意見を求めるなどして、伝えるべき魅力を取捨選択しましょう。
自社の魅力が見つからない場合は
上記の分析方法を試しても自社の魅力が見つからない場合には、自社の魅力として発信したい部分を先に決め、そこから逆算して、その目標に自社を近づけていくのも良いでしょう。
自社の目標像を設定して社内に浸透させることで、会社全体の足並みをそろえて魅力の発見に取り組むことにつながります。
「自社の魅力を伝える」コンテンツ例
上記の分析方法②でご紹介した〈自社の魅力の種を探す5つの着眼点〉に分けてコンテンツ例をご紹介します。
社会に対する企業としての姿勢
企業理念
企業理念は求職者の多くが面接前までに事前確認する情報でもあることから、自社の価値観や社会的存在意義など、包括的に紹介することで関心を高めやすくなるでしょう。
代表メッセージ
代表者の考え方は企業理念や社風にも影響します。代表者のメッセージとして目指す会社の在り方や方向性について発信することで、企業姿勢に惹かれる求職者を集めやすくなります。
社会貢献
社会に貢献できている実感が仕事のやりがいにつながるため、SDGsや地域活性化への取り組みといった社会貢献度の高さも求職者にとって魅力のひとつになります。
職場環境への配慮
数字で見る
労働環境や人間関係など、社員を取り巻く職場環境をインフォグラフィックスで表現することで、新卒など就業経験のない方にも会社をイメージしやすくなります。
社員紹介
上司や先輩社員の雰囲気や仕事の姿勢などを紹介することで、職場環境を想像しやすくなります。さらに職種・資格・趣味特技・メッセージに加え、写真や似顔絵などを掲載することで一層伝わりやすくなるでしょう。
仕事のやりがい
仕事の意義
自社の製品やサービスが具体的な場面で、どのように役立っているのかを紹介することで、社会で必要とされる理由やその価値を共感しやすくなるでしょう。
職種別の業務内容
社員インタビューなども含め職種別の業務内容を具体的に紹介することで、求職者が将来像を描きやすくなり、業務内容について一段と想像しやすくなります。
時代に合った労働条件
労働条件向上への取り組み
仕事内容や職場環境と同じく重要視されるのが、勤務時間や休日、給料などの労働条件です。
応募する際の判断材料であり、内定承諾を決断する際にも重視される項目でもあることから、求職者を後押しするような労働条件や自社の取り組みを紹介することで、応募者の増加や内定承諾率の向上が期待できます。
法定外福利厚生
法定外福利厚生は、労働条件と同様に応募時や内定承諾時に確認される傾向にあり、求職者から重視されやすい項目です。例としては、家賃補助・通勤手当・特別休暇制度・資格取得補助などが挙げられます。
社内制度の豊富さ
教育制度
教育制度は、内定承諾を決める最終判断の際に参考にされることが多く、求職者にとって入社後の働き方や仕事との向き合い方にも影響するため重視されやすい項目です。
メンター制度
入社に不安を抱く求職者にとって、豊富な知識と経験のある先輩社員がメンターとなることは心強く、求職者の心に響きやすい魅力になると言えます。
自社の求める人材像にアプローチする
求職者の思考や感性、価値観に触れるコンテンツを制作することで、求める人材にアプローチし、採用効果を高める以下の4つのポイントが期待できます。
- 仕事内容の明確化により、職務に適する人材と出会いやすくなる
- 会社の方向性を共有できる人材の確保につながり、定着率が向上しやすくなる
- ミスマッチの減少になり、採用にかかる時間や労力を削減できる
- 現場の声を聞くことで、現場と採用担当者における採用基準の認識のズレを解消しやすくなる
上記のような採用効果を得るには、自社が求める人材像の明確化が重要になります。
ここで注意したいのが、求める人材像を過剰に絞りすぎると、却ってターゲット母数が少なくなってしまう場合があることです。理想と現実とのギャップも視野に、求める人材像のアップデートを継続的に行うことも大切です。
求める人材像を明確化するための分析方法
求める人材像に“アプローチ”するには、まずはしっかりと「求める人材像を明確化すること」が必要です。
そこで求める人材像を明確化するための分析方法について、下記に4ステップでご紹介します。
①採用の目的を決める
自社の組織体制と業務内容を軸に「どの職種で、どのような活躍が期待できる人材が必要なのか」を抽出し、経営方針に則した採用目的を決定します。
②社員へヒアリングをする
募集職種の社員に「具体的に求める人物像はどんな人か」や「期待する具体的な働きとは何か」、「優れた社員の共通点」などをヒアリングし、現場社員の声を拾い集めます。
③求める人材像を具体化する
自社の採用目的と、現場社員の声を集約し、求める人材像を具体化します。
以下は求める人材像の具体化の一例としてご覧ください。
- 新卒/中途
- 技術力
- 専門知識
- 能力、スキル
- 性格
④採用市場に照らし合わせて調整する
現在の就職市場の状況と照らし合わせて、過度な期待をした人材像になっていないかをチェックします。
求める人材像の総数が少ないと判断できる場合には、③の項目に優先順位をつけるなど、採用市場に合わせて人材像を調整することが大切です。
「求める人材像にアプローチする」コンテンツ例
上記の分析結果を活かし、求める人材像にアプローチするためのコンテンツ例をご紹介します。
私たちが大切にしていること
社員が大切にしている想いや考え方、価値観、仕事への姿勢などを抽出することで、社員の内面に焦点を当てたアプローチが行えます。価値観などの内面的な思考は言語化しにくい部分のため、言葉が持つ微妙なニュアンスの違いも意識し、求める人材の琴線に触れる表現を追求することが大切です。
社員インタビュー
社内で活躍が評価されている社員にフィーチャーすることで、求職者に求める資質を間接的に伝えることができます。求職者としても、ロールモデルとなる社員を見つける機会になり、入社への意欲を高めることにつながります。
採用担当者からのメッセージ
会社と求職者をつなぐ窓口となる採用担当者は、求職者にとって身近かつ発言力のある存在と言えます。採用担当者の口から求める人材像の一端について発信することは、求職者の印象に残りやすく、影響を与えやすいアプローチになるでしょう。
求職者のニーズに応える
採用活動は、会社が求職者を選び、また求職者が会社を選ぶことで成立します。
求職者からより選ばれるためには「求職者のニーズ」を把握し、求職者視点を取り入れたコンテンツにする必要があります。
求職者のニーズは、現代の求職者の傾向を把握することにもなり、自社の求人に関心を抱いて応募をする「求職者の母集団形成」という点でも役立ちます。
求職者のニーズを知り、求職者が求める情報をコンテンツ化することで、求職者の心を掴む採用サイトにしていきましょう。
求職者のニーズの調査方法
求職者のニーズを調査するには、求職者を対象とした意識調査のアンケートを活用することがひとつの方法として挙げられます。
時代の流れによる働き方の価値観の変化に伴って、求職者のニーズも変化します。コンテンツ制作の際には、できる限り最新の調査結果を参考に現代の求職者のニーズを探ると良いでしょう。
今回は、学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査(2023年実施)_内閣府をもとに、大学4年生、大学院2年生を対象とした意識調査の結果をご紹介します。
本意識調査の結果では、
- 企業の安定性
- 給与や賞与が高い/手当や社会保障が充実
- 自分のやりたい仕事ができる
- 職場の雰囲気が良さそう
- 残業が少なく、休暇が取れるなどのワークライフバランス
などの項目が重視される傾向にありました。
「求職者のニーズに応える」コンテンツ例
上記の意識調査の結果を参考に、新卒者のニーズに合わせたコンテンツ例をご紹介します。
業界動向
「企業の安定性」を伝える材料のひとつになります。自社が属する業界の成長率、今後の需要の見込みを示すことで、自社の将来的な安定性を表現しやすくなるでしょう。
モデル賃金
「所得」を重視する求職者に響きやすいコンテンツです。さまざまな職種、役職のモデル賃金を掲載することで、求職者が現在と未来の立場に当てはめてイメージしやすくなります。
職種別の業務内容
前述の【自社の魅力を伝えるコンテンツ】でもご紹介しましたが、業務内容は「自分のやりたい仕事」を重視する求職者にとっては最重要情報です。「キャリアパス」などを作り、求職者が将来のキャリア形成をイメージしやすくすることも有効です。
職場の写真や紹介動画
「職場の雰囲気」を伝えるには、社内の写真や紹介動画があると効果的です。オフィスの日常風景やミーティング、社内イベントなどの様子が伝わる写真、動画を掲載することで、職場のリアルな雰囲気を表現しやすくなります。
社員の1日の流れ
「ワークライフバランス重視」の求職者には、「社員の1日の流れ」など、仕事とプライベートのバランスを時間軸で伝えることで、求職者が会社の働き方にフィットするかを見極めやすくすることも効果的です。
採用コンテンツの制作で会社も好循環へ
採用コンテンツの制作過程で得られるメリットは、情報の再整理はもちろん、魅力・強みなどの事業価値の再発見にもなり、今後の方向性を明確化することにも貢献します。
このように採用コンテンツの情報整理とアップデートを繰り返すことで、会社の魅力に一段と磨きがかかり、結果として採用がさらに円滑になるという好循環にもつながります。
採用サイトのコンテンツ制作が採用活動、ひいては経営全体にシナジーがもたらされるよう、一つひとつの情報を丁寧に作り上げることが大切です。
採用サイト制作を一からサポートいたします
当社では、さまざまな業種のWEBサイトを戦略企画から制作・運用まで、幅広くサポートしております。採用サイトをはじめ、目的に応じたWEBサイト構築、コンテンツ制作も承っております。
またWEBサイトリニューアルのご相談も承っておりますので、WEBサイトの活用でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
Web制作のこと、
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当社では、さまざまな業種・業態のWebサイトを、
戦略企画から制作、運用、セキュリティ対策に至るまで、幅広くサポートしております。
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Webの制作やリニューアルをお考えの方は、是非お気軽にご相談ください。