- 2018.07.11
- Journal
石積み技術でわさび田を再生 石積み学校@檜原村
檜原村に残るワサビ田を再生させよう、と昨年スタートした「檜原村わさび田復活プロジェクト」が4月28日と29日、村内で「石積み学校@檜原村」を開催した。昨年同村人里地区で都内初の「石積み学校」を主催した同村「ゲストハウスへんぼり堂」との共催。都心や埼玉県、神奈川県、静岡県から約40人が参加し、伝統的な石積みの技術を使ったワサビ田の修復作業を行った。石積みの技術を使ってのワサビ田の修復は、同村で初めての試みとなった。
檜原村は、かつて秋川渓谷の源流を生かしたワサビ栽培が盛んだった。村内に残る多くのワサビ田が、後継者もなく荒れた状態になっているのを知った同村地域おこし協力隊の細貝和寛さん(24)は「ワサビ田を再生させ、村の資源にしたい」と、同プロジェクトを開始した。この日は、四国(徳島県上勝町)に拠点を置く「石積み学校」の真田純子さん(東京工業大学大学院准教授)と金子玲大(れお)さんが講師を務め、石積みによるワサビ田修復に取り組んだ。
「石積み」は現地にある石を使用し、崩れても瓦礫にすることなく何度でも積み直せる工法。家族や地域で受け継がれてきたが、コンクリートブロックやセメントなどの普及で継承が全国的に衰退している。
真田さんは石積みの技術を残したいと、2013年に「石積み学校」を設立。冊子「棚田、段畑の石積み」を発行し、国内外で石積み技術を伝えている。金子さんは、早稲田大学在学中から石積みの技術と歴史を研究。現在、徳島県上勝町の地域おこし協力隊として石積みの技術を使い農業を支える活動をしている。
同村に残るワサビ田は、石積みの棚田が多い。今回の現場は傾斜地が段々になり、崩れた石や土砂などが混在する場所。真田さんと金子さんは、「石積みは『一ぐり、二いし、三に積み』といわれるように、積み石の根元にグリ石をしっかり入れて行く事が大切」と説明し、崩れかけた石積みを修復しながら積み方を実践した。参加者は協力しながら、雑草や泥土を取り除き崩れた石を積み直していった。
都心から参加した40代の女性2人は「初めて石積みをした。作業が予想以上に楽しかった」と笑顔。埼玉県から参加の50代男性は「こういった技術を多くの人に知ってほしい」、都心から参加の60代男性は「貴重な体験をした。ワサビ田になるのが楽しみ。今後も様子を見にきたい」、伊豆から参加した40代男性は「職人向けの石積み講座はあるが、一般向けはほとんどないので、ぜひ参加したいと思った」と話した。
細貝さんは、「多くの人に関心をもってもらいありがたい。村内には、再生できるワサビ田が点在している。かつてのようにワサビが村の特産物になるよう、今後も持続的に活動していきたい」と語った。
「石積み学校」は今後夏以降に開催予定。詳細はFB「石積み学校@檜原村」へ。
西多摩新聞 2018年5月18日付 5面より 記事・写真提供:株式会社 西多摩新聞社
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